前の会社でも「保証人不要・保証会社不要」の賃貸物件を提供しており、私はそこで部署担当をしていました。
当初「保証人不要・保証会社不要」で募集し始めた頃は、客層のほとんどが「滞納歴が原因で保証会社の審査に通らない人」だと思っていました。しかし、実際にそのような人は少数でした。保証会社はたくさんあるので何社かチャレンジすれば審査に通るからでしょう。実際の客層には、求職中だから、身寄りがいないから保証会社を使えない、親の介護で短期間だけ、フリーランスで全国を飛び回る、海外を拠点にしている、法人契約でマンスリーマンションとして・・など様々な需要がありました。適した表現ではないかもしれませんが「変な入居者はいない」ということがわかりました。今でも「多くの利用者が真面目な人」であるという信用の心を軸に、仕事を続けています。

そして私自身も東京で失業して一時期保証人不要の物件に入居した経験があります。「住所がないと仕事を探せない。家は雨風をしのげばいい、早く仕事を探さなければ・・」という思いで必死に物件を探しました。バストイレ一緒でとても狭かったのですが、「家が見つかって良かった。助かった。」と心の底から思いました。
また、転職した会社の所在地に合わせてシェアハウスを転々としたこともありました。シェアハウスは簡単な審査で入居でき、退去も簡単で、当時は画期的なシステムだったと思います。この仕組みは、離婚、失業、転職などライフスタイルが変わりやすい今の時代の生き方に合っていると感じました。めぐみ企画の「短期間に退去しても違約金がかからない」仕組みは、このときの経験が生きています。

前の会社はしばらくの間は売り上げが伸び、それに伴い社員数や社用車が増え、広い事務所への移転など、まさに上り調子でした。しかしある時を境に、売買件数が急激に減少。不動産売買がメインの会社なのに、売買件数が減り売り上げが下がり続ける一方で、経費は膨れ上がったまま。経営が維持できず、ついには倒産してしまいました。
その倒産をきっかけに、私は自らめぐみ企画を立ち上げることになります。前職での経験を教訓に、めぐみ企画ではできるだけ「人件費や事務所の家賃などの固定費を増やさない」と決め、現在も慎重な姿勢は一貫しています。

前職の不動産の売買では、空室を借上げることを条件に各オーナーに一棟マンション・アパートを売却していました。古くて人気がない物件は入居者がつきにくというリスクを、借上げることでヘッジするという仕組みです。この「空室を借上げる仕組み」は、現在のめぐみ企画の事業に繋がっていきます。

過去に様々な失敗や大変な経験をしましたが、その過去があったからこそめぐみ企画を立ち上げることができ、今まさに困っている方々のサポートをすることが出来ているのだと実感します。

創業秘話でも語った通り、「空室を借り上げる仕組み」がめぐみ企画の事業の基盤となっています。
実のところ、札幌市には物件の供給過剰で余っている物件がたくさんあります。特に、“築30年以上” “バストイレ一緒” “ロフト” “1階”といった条件で人気のない物件は空室が多く発生しており、困っている不動産オーナーがたくさんいらっしゃいます。

そこでめぐみ企画では、空室になりやすい古くて人気のない物件を低価格で借り上げ、そこに

• 家具家電付き
• 保証人不要・保証会社不要・緊急連絡先不要

という付加価値をつけて、家を借りることが難しい入居者に貸してるのです。

表を見ると一目瞭然ですが、「保証会社を利用できる方」「家具家電なしでも問題ない方」は当社以外で借りた方が安く済みます。
あくまで保証人・保証会社不要の物件、家具家電有りの物件をニーズとする方々に、めぐみ企画の物件に入居いただくことで、事業が成り立っています。そこから得られた利益から「借上げた部屋が空室となるリスク」「家賃滞納のリスク」を想定して運営しています。

貧困ビジネスとは生活保護費の詐取など、経済的に困窮した人の弱みに付け込んで利益をあげる悪質な事業行為をいいます。社会的企業であることを示しながら、実際には弱者を利用して不当に利潤を得るような企業が存在するのも事実です。
めぐみ企画は弱者から搾取するようなことは絶対に行いませんし、そもそも入居者を貧困者層や生活保護受給者に限定しているわけではありません。「求職中だけど貯金がたくさんある人」「家の改築の間だけ滞在したい人」「個人事業主で海外出張が多い人」「社員の配属先が決まるまでの間だけ利用したい法人」のように貧困者ではない方にもご利用いただいております。

貧困者ではなくても、家を借りられない人はいらっしゃいます。「貯金がある」「失業保険や傷病手当金などを受給している」という状態でも求職中（無職）の人は、家賃保証会社の審査に通らないため家を借りることができません。住所がないと仕事に就きにくいのに家を借りられない現状というのが再出発を妨げていると言えます。
高齢者や生活保護受給者を救済する社会福祉団体がたくさんあるのとは対照的に、「仕事はないが貧困者でもない」方々は社会問題としてクローズアップされにくく、頼るところがほとんどありません。そういった方へのサポートがめぐみ企画の社会的役割のひとつですし、当社の物件を求めて、全国・道内各地から札幌にやってくる人がいらっしゃいます。

株式会社めぐみ企画は、令和3年2月5日に北海道指定第28号 住宅確保要配慮者居住支援法人に指定されました。住宅確保要配慮者居住支援法人とは住宅確保要配慮者（低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育する者、その他住宅の確保に特に配慮を要する者）の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、住宅確保要配慮者に対し家賃債務保証の提供、賃貸住宅への入居に係る住宅情報の提供・相談、見守りなどの生活支援等を実施する法人として都道府県が指定するものです。
居住支援法人として、当社へお問合せをくださる方々へより一層の安心を提供していきたいと考えております。

めぐみ企画の物件は以下のように、暮らしや仕事をやり直すための環境が整っています。

• 家具家電付きで、入居したその日から生活できますので、いつでも就職活動を始められます。
• 短期間退去の違約金がかからないので、就職先が見つかるまでの間だけ住むこともできます。
• 住民票登録できるので、身分証明書に住所を表記することもできます。
• 貯金がなくなったら生活保護申請のために役所に付き添います。

めぐみ企画をきっかけに、住宅に不安を抱える方の再出発、再挑戦が叶うことが、私たちの願いであり使命です。
これまでの経験を活かし、より幅広く、より多くの方へ支援を行っていけるよう、めぐみ企画はこれからもまい進して参ります。