コラム

生活保護

生活保護を受けるなら自己破産が必要?借金があるときに知っておきたいこと

目次

  • 「借金があるから生活保護を申請できない」と思い込んでいませんか?
  • 生活保護は暮らしと自立を支えるための制度
  • 生活保護を受けると自己破産が必要?
  • 自己破産とはどのような手続き?
  • 自己破産にはメリットと注意点がある
  • 「ブラックリストに載る」とは?
  • 自己破産以外の債務整理もある
  • 借金にはさまざまな背景がある
  • まずは生活と健康を守ることが最優先
  • 「自己破産する・しない」を一人で決めない
  • 生活保護と自己破産についてよくある質問(Q&A)
  • 生活保護と借金で悩んだときの3つのポイント
  • 【関連コラム】
  • STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』

「借金があるから生活保護を申請できない」と思い込んでいませんか?

結論からいうと、借金があっても生活保護は申請でき、生活保護を受けるために自己破産が必ず必要になるわけでもありません。

ただし、生活保護費は借金返済のための給付ではないため、借金があることを担当ケースワーカーへ伝えたうえで、返済への対応や自己破産などの債務整理について、弁護士・司法書士などの法律専門家へ相談することが大切です。

めぐみ社長

こんにちは。コンビニ賃貸のめぐみ企画です。
「借金があるから、生活保護を受けたら必ず自己破産しないといけない」と思っている方がいらっしゃいます。

ようへいさん

生活が苦しいのに、その不安が原因で申請をためらってしまうこともあるんですね。

めぐみ社長

そうなんです。
でも、自己破産が必要かどうかは人によって違います。
借金の額や返済状況、これから仕事に就ける見込みなどを見ながら考える必要があります。

ようへいさん

借金が少なく、近いうちに収入が安定する見通しがある方と、多額の返済を抱えている方では、選択肢が変わってくるということですね。

めぐみ社長

はい。だからこそ、一人で「生活保護か自己破産か」と決めつけず、まず相談してほしいんです。

ようへいさん

生活と健康を守ることを最優先にして、自分に合った立て直し方を専門家と探すことが大切なんですね。
今回は、借金があるときに知っておきたいことをお話いただきます。

生活保護は暮らしと自立を支えるための制度

生活保護は、資産や能力、利用できる制度などを活用しても生活に困窮する方に対し、最低限度の生活を保障するとともに、自立を支援する制度です。

支給される保護費は、食費や光熱費などの日常生活費、家賃、医療費など、それぞれの生活上の必要に応じて設けられています。

相談・申請の窓口は、現在住んでいる地域を担当する福祉事務所です。
厚生労働省「生活保護制度」

借金があることだけを理由に、生活保護の相談を諦める必要はありません。

生活保護費は最低限度の生活を維持するための費用であり、借金返済を目的として支給されるものではありません。

生活保護費から返済を続けると生活費が不足するおそれがあるため、返済を続けるかどうかを自己判断せず、担当ケースワーカーと弁護士・司法書士などへ相談しましょう。

※司法書士が対応できる業務や代理権の範囲には制限があります。相談する際は、借金額や希望する手続きに対応できるか確認しましょう。

生活保護を受けると自己破産が必要?

生活保護を受給したからといって、全員に自己破産が義務付けられるわけではありません。

ただし、生活保護費の中から借金の返済を続けると、最低限度の生活に必要な費用が不足するおそれがあります。

収入や財産から返済することが難しく、今後も完済の見通しが立たない場合には、自己破産を含む債務整理を検討することがあります。

一方、借金が比較的少ない場合や、近いうちに安定した収入を得られる具体的な見通しがある場合には、任意整理などを検討できることもあります。

ただし、借金額だけで手続きを決めることはできません。

自己破産には「借金が何万円以上なら利用できる」という一律の金額基準はなく、収入や財産、毎月の支出、債務の内容などから、支払不能の状態にあるかどうかが判断されます。

どの債務整理が適しているかは、収入、財産、毎月返済できる金額、債務の種類などを確認し、専門家と相談しながら検討します。

自己破産の手続きでは、支払不能の状態にあるかどうかなどを裁判所が判断します。

自己破産とはどのような手続き?

自己破産は、借金を継続して返済することができない状態になった方が、裁判所へ申し立てる法的な手続きです。

処分・配当の対象となる財産がある場合は、原則として破産管財人が財産を換価し、債権者へ配当します。

一方、換価するほどの財産がない場合には、配当を行わずに破産手続が終了することもあります。

破産手続が始まっただけでは借金の支払義務はなくならず、裁判所の免責許可決定が確定することによって、非免責債権を除き、原則として法的な支払責任を免れます。

ただし、税金や一定の社会保険料、罰金、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償、養育費など、免責許可決定が確定しても支払責任が残る債務があります。

税金や社会保険料、養育費、住宅ローン、保証債務などは、一般的なカードローンとは異なる検討が必要になるため、債務の種類もすべて専門家へ伝えましょう。

なお、生活に必要な家財などは原則として残せますが、価値のある財産を手放す場合があります。

また、破産手続開始決定後、免責許可決定の確定などによって復権するまでの間、警備員や保険募集人など、一部の資格・職業に制限が生じる場合があります。
裁判所「破産」

自己破産にはメリットと注意点がある

自己破産の大きなメリットは、免責が認められれば、多くの借金について支払義務が免除されることです。

毎月多額の返済を抱えている方にとっては、返済に追われる生活から離れ、暮らしを立て直すための大きな一歩になる可能性があります。

一方、次のような注意点もあります。

■ 一定以上の価値がある財産を手放すことがある
■ 氏名や住所などが官報に掲載される
■ 一定期間、クレジットカードの新規作成・更新や、新たな借入れが難しくなる
■ 手続き中、一部の資格や職業に制限が生じることがある

ただし、自己破産をしても、すべての銀行口座が使えなくなるわけではありません。

借入れのある銀行の口座については、銀行や契約の状況によって、一時的に利用が制限されたり、預金と借金が相殺されたりする可能性があります。

給与や生活保護費の受取口座にしている場合は、申立て前に専門家へ確認しましょう。

「ブラックリストに載る」とは?

一般に「ブラックリストに載る」と表現されますが、実際にそのような名称の名簿が存在するわけではありません。

債務整理や返済の延滞などに関する情報が信用情報機関へ登録され、ローンやクレジットカードなどの審査で参照される状態を指す通称です。

信用情報機関によって、登録される情報や保有期間、期間の起算点は異なります。

一般に「ブラックリストに載る」と表現されますが、実際にそのような名称の名簿が存在するわけではありません。

債務整理や返済の延滞などに関する情報が信用情報機関へ登録され、ローンやクレジットカードなどの審査で参照される状態を指す通称です。

信用情報機関によって、登録される情報や保有期間、期間の起算点は異なります。

例えばCICでは、クレジット情報の保有期間を「契約期間中および契約終了後5年以内」と案内しています。
CIC「自己破産の登録は何年間ですか?」

そのため、「自己破産を申し立てた日から一律5年間」と単純に考えるのではなく、登録されている内容や契約終了の時期などを確認する必要があります。

情報が登録されている期間は、クレジットカードや住宅ローンなどの審査に影響する可能性があります。

ただし、審査結果は信用情報だけではなく、各会社がそれぞれの基準で判断します。

自己破産以外の債務整理もある

借金を整理する方法は、自己破産だけではありません。

例えば任意整理は、弁護士や司法書士が債権者と交渉し、将来利息のカットや返済期間の見直しなどを行い、無理のない範囲で返済を続ける方法です。

ほかにも、裁判所を利用して借金を減額し、原則として一定期間で返済する個人再生などがあります。

ただし、生活保護受給中は返済に充てられる収入が限られるため、任意整理などによる返済を継続できるとは限りません。

どの方法が適しているかは、借金の総額や種類、収入、財産、就労の可能性などを確認して判断します。

借金にはさまざまな背景がある

借金と聞くと、浪費やギャンブルを思い浮かべる方もいるかもしれません。

しかし、借金を抱えることになった事情は人それぞれです。

■ 生活保護などの制度を知らず、キャッシングで生活費を補っていた
離婚をきっかけに住宅を売却したが、住宅ローンだけが残った
家族や知人の保証人になった
親や子どもの生活を支えるために借入れをした
病気や失業によって収入が減少した

借金があるという事実だけで、その人を責めることはできません。

「借金があるから生活保護を申請できない」
「自己破産をしたくないから相談できない」

と思い込み、住まいや食事、通院を我慢してしまうと、生活や健康状態がさらに悪化するおそれがあります。

まずは生活と健康を守ることが最優先

住む場所がない、食費がない、病院へ行けないなど、生活が差し迫っている場合は、債務整理の結論が出るまで生活保護の相談を待つべきではありません。

まずは福祉事務所へ現在の状況を伝えましょう。

そのうえで、借金については法テラスや弁護士、司法書士などへ相談します。

法テラスでは、収入や資産が一定基準以下の方を対象に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を設けています。

生活保護を受給している方は、申請し、法テラスが相当と認めた場合、事件進行中の立替金の返済が猶予されることがあります。

また、援助事件の終了後も生活保護を受給している場合などには、申請によって立替金の返済が免除されることがあります。

ただし、生活保護を受給しているだけで必ず免除されるわけではなく、申請時の経済状況や、事件によって得た金銭などの経済的利益を踏まえて判断されます。

いずれも自動的に猶予・免除されるものではないため、利用時に確認しましょう。
法テラス「民事法律扶助業務」

「自己破産する・しない」を一人で決めない

自己破産は、借金から生活を立て直すための正式な制度です。

利用することを必要以上に恥ずかしく思う必要はありません。

一方で、生活保護を申請したからという理由だけで、慌てて自己破産を決める必要もありません。

大切なのは、次の点を整理することです。

■ 借金の総額と債権者の数
■ 毎月の返済額
■ 延滞や督促の有無
■ 収入と財産の状況
■ 就職できる可能性と時期
■ 家族構成や健康状態
■ 保証人や住宅ローンなどの事情

生活保護と債務整理は、どちらも生活を立て直すための制度です。

「どちらを選ぶか」だけで考えず、必要に応じて両方の専門窓口へ相談し、自分に合った再出発の方法を探しましょう。

めぐみ企画でも、住まいや生活にお困りの方からの相談を受け付けています。

※個別の法律判断や債務整理の手続きについては、弁護士・司法書士などの専門家へご相談ください。

生活保護と自己破産についてよくある質問(Q&A)

カラくん

借金があっても生活保護を申請できる?

めぐちゃん

借金があることだけで、生活保護の相談や申請を諦める必要はないよ。
生活保護は、世帯の収入や資産、生活状況などをもとに判断されるよ。
借金があることは担当ケースワーカーへ伝え、具体的な返済方法や債務整理については法律の専門家へ相談しよう。

カラくん

生活保護を受けたら必ず自己破産しなければならないの?

めぐちゃん

必ず自己破産しなければならないわけではないよ。
ただし、借金が多く、今後も返済できる見通しが立たない場合は、自己破産を含む債務整理を勧められることがあるよ。
個別事情によって判断が異なるよ。

カラくん

生活保護費から借金を返してもよいの?

めぐちゃん

生活保護費は、最低限度の生活を維持するために支給されるものだよ。
自己判断で返済を続けると、生活費が不足する可能性があるよ。
借金がある場合は、担当ケースワーカーへ隠さず相談してね。

カラくん

自己破産をすると、すべての財産を失うの?

めぐちゃん

生活に必要な家財など、すべてを失うわけではないよ。
ただし、一定以上の価値がある不動産、自動車、預貯金などは処分の対象になる場合があるよ。
残せる財産の範囲は個別事情や裁判所の運用によって異なるよ。

カラくん

弁護士に相談するお金がないんだけど、どうすればよい?

めぐちゃん

法テラスでは、収入や資産が一定基準以下の方を対象に、無料法律相談や弁護士・司法書士費用の立替制度を設けているよ。
生活保護をまだ受給していない方でも、基準を満たせば利用できる可能性があるよ。

生活保護と借金で悩んだときの3つのポイント

① 借金があっても生活保護の相談を諦めない

借金の整理が終わっていなくても、生活が困窮しているなら、まず福祉事務所へ相談しましょう。
住まいや食事、医療を我慢して状況を悪化させないことが大切です。

めぐちゃん

② 生活保護費から自己判断で返済しない

返済額が少ない場合や就職の見通しがある場合でも、対応を自分だけで決めるのは避けましょう。
担当ケースワーカーと法律の専門家に事情を伝え、適切な方法を確認します。

めぐちゃん

③ 自己破産を含む複数の選択肢を比較する

自己破産、任意整理、個人再生など、借金を整理する方法は複数あります。
借金額だけでなく、収入、財産、健康状態、就労の見通しなどを含めて検討しましょう。

めぐちゃん

【関連コラム】

STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』

この内容はSTVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』でもご紹介しました。
放送はこちらからお聴きいただけます。
↓   ↓   ↓
https://x.gd/IkZ7w

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