コラム
賃貸の火災保険は火事だけじゃない?水漏れ・凍結など身近な事故と補償を解説
目次
- 火災保険は、万が一の暮らしを守る大切な備え
- 賃貸住宅の火災保険で確認したい3つの補償
- 札幌では水道管の凍結事故に注意
- 洗濯機や浴槽からの水漏れも起こる
- うっかり壁や床を傷つけた場合も補償される?
- 事故が起きたら「安全確保・連絡・記録」
- 火災保険への加入は法律上の一律義務ではないが、契約上必要なことがある
- 保険料だけでなく補償内容を確認する
- 火災保険は「自分以外の人を守る備え」でもある
- 火災保険についてのQ&A
- 火災保険で覚えておきたい3つのポイント
- 【関連コラム】
- STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』
火災保険は、万が一の暮らしを守る大切な備え
「火災保険は、火事が起きたときのために入るもの」
このように思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、賃貸住宅向けの火災保険には、火事だけでなく、水漏れや水道管の凍結、突発的な事故による室内の損害などを補償できるものがあります。
さらに、借りている部屋を傷めてしまったときの大家さんへの賠償や、階下の入居者の家財を水浸しにしてしまったときの賠償に備える特約が付いていることもあります。
ただし、どの事故まで補償されるかは、加入している保険や特約によって異なります。
「火災保険に入っているから何でも直せる」というわけではありません。
今回のコラムは、賃貸住宅の火災保険がどのような場面で役立つのか、事故が起きたら何をすればよいのかを分かりやすく解説します。

めぐみ社長

ようへいさん
火災保険という名前ですから、火事が起きたときの保険だと思っていますが違うんですか?

めぐみ社長
知らない人も多いですが、賃貸住宅向けの火災保険には、水漏れなどの身近な事故に備える補償が付いていることもあるんです。

ようへいさん
火事以外でも使える可能性があるんですね。
今回は、賃貸住宅の火災保険がどのような場面で役立つのかなどをご紹介します。
賃貸住宅の火災保険で確認したい3つの補償
賃貸住宅向けの火災保険は、主に次のような補償を組み合わせた商品が一般的です。
1.自分の家財を守る『家財補償』
火事や水漏れなどによって、家具・家電・衣類など、自分の持ち物が損害を受けた場合に備える補償です。
建物は大家さんの所有物ですが、入居者が室内に持ち込んだ家財は、大家さんの火災保険では補償されないのが一般的です。
そのため、自分の家財は自分の保険で備える必要があります。
ただし、補償される事故や保険金額、自己負担額などは契約によって異なります。
2.大家さんへの賠償に備える『借家人賠償責任』
入居者の不注意などによって借りている部屋に損害を与え、大家さんに対して法律上の損害賠償責任を負った場合に備える補償です。
例えば、次のような事故が対象になる可能性があります。
■ 火事を起こして室内を焼いてしまった
■ 水道管の凍結・破裂などをきっかけに漏水し、室内に損害を与えた
■ 洗濯機の排水ホースが外れ、床や壁を傷めた
「借りている部屋を傷めた場合の補償」と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、経年劣化や故意による損害などは、一般的に補償の対象外です。
入居者に法律上の賠償責任があるかどうかも含め、実際の判断は保険会社が行います。
3.階下の人などへの賠償に備える『個人賠償責任』
水漏れなどによって、階下の入居者の家具や家電を水浸しにしてしまった場合には、第三者に対する損害賠償が必要になることがあります。
このような場合に備えるのが「個人賠償責任」の補償です。
日本損害保険協会も、賃貸住宅で想定されるリスクとして「水漏れで階下の部屋を汚した」「火事で借りている部屋を焼失した」といった例を挙げ、個人賠償責任保険や借家人賠償責任保険による備えを案内しています。
※日本損害保険協会「賃貸住宅における他人への賠償責任リスク」
なお、個人賠償責任は火災保険に自動的に付いているとは限りません。
特約として付ける商品もあるため、契約内容の確認が必要です。
あわせて知っておきたいのが、火災保険でいう「水濡れ」と、洪水などによる「水災」は異なる補償です。
どちらが補償されるかは契約内容を確認しましょう。
さらに、地震・噴火・津波による損害は、通常の火災保険では原則として補償されません。
地震による火災や家財の損害などに備えるには、火災保険とセットで加入する地震保険があります。
なお、火災保険の商品によっては、地震による火災について一定の費用保険金が支払われる場合があります。
札幌では水道管の凍結事故に注意

札幌の冬に特に注意したいのが、水道管の凍結や破裂です。
長期間部屋を空ける際に水落としをしていなかったり、暖房を止めて室温が大きく下がったりすると、水道管が凍結することがあります。
凍っている間は異常に気づかなくても、気温が上がって氷が解けたときに水が流れ出し、初めて水漏れが分かることもあります。
被害が階下まで広がると、複数の部屋の天井・壁・床・家財などに損害が出る可能性があります。
修理費が大きくなることもあるため、「短期間の外出だから大丈夫」と考えず、管理会社から案内された凍結防止の方法を確認しておきましょう。
なお、凍結した水道管そのものの修理費や解氷費用、漏水によって生じた損害など、どこまで補償されるかは保険商品や特約、事故状況によって異なります。
洗濯機や浴槽からの水漏れも起こる

水漏れは、水道管の凍結だけで起こるものではありません。
例えば、次のようなケースがあります。
■ 洗濯機の排水ホースが外れていた
■ 排水口が詰まっていた
■ 浴槽にお湯をためたまま眠ってしまい、お湯があふれた
■ 蛇口を閉め忘れた
■ 給排水設備から水が漏れた
少量の水でも、床下や階下へ入り込むと、広い範囲の修理が必要になることがあります。
洗濯機を動かす前には排水ホースを確認し、浴槽にお湯をためている間はその場を離れないなど、日頃の注意も大切です。
うっかり壁や床を傷つけた場合も補償される?
家具を動かしたときに壁へぶつけた、物を落として床を傷つけたなど、偶然の事故による損害が、借家人賠償責任や修理費用に関する特約などで補償される商品もあります。
ただし、すべての火災保険で補償されるわけではありません。

補償の対象になるかどうかは、次のような条件によって変わります。
■ 借家人賠償責任や修理費用に関する特約などが付いているか
■ 偶然かつ突発的な事故であるか
■ 故意など、保険の対象外となる事情がないか
■ 経年劣化や通常使用による傷ではないか
■ 免責金額を超える損害であるか
■ 加入している補償・特約の支払い条件に当てはまるか
退去時まで黙っているのではなく、事故が起きた時点で管理会社へ相談しましょう。
事故が起きたら「安全確保・連絡・記録」
水漏れや室内の損傷が起きたときは、次の順番で対応します。
1.安全を確保する
水漏れの場合は、可能であれば元栓を閉め、水を止めます。
電気設備の近くまで水が広がっている場合は、感電の危険があります。
無理に触らず、管理会社や緊急窓口へ連絡してください。
火事の場合は初期消火に固執せず、身の安全を優先して避難し、119番へ通報します。
2.管理会社や大家さんへ連絡する
賃貸住宅では、管理会社または大家さんへ連絡するとともに、加入している保険会社や保険代理店にも事故を連絡します。
夜間や休日に事故が起きた場合に備えて、緊急連絡先も確認しておきましょう。
管理会社から、保険会社への連絡方法や修理の進め方について案内を受けられることがあります。
3.写真や動画を残す

安全を確保したうえで、次のような記録を残します。
■ 部屋全体の状況
■ 水が出ている場所
■ 壊れた箇所
■ 濡れた床・壁・天井
■ 被害を受けた家具や家電
■ 水道管や排水ホースの状態
片づけや応急処置が必要な場合も、できる範囲で作業前の状況を撮影しましょう。
4.修理や処分の前に確認する
事故の跡をすべて直したり、壊れた物を捨てたりすると、事故原因や損害の程度を確認できなくなることがあります。
緊急の応急処置を除き、修理や処分は管理会社や保険会社へ確認してから進めましょう。
火災保険への加入は法律上の一律義務ではないが、契約上必要なことがある
賃貸住宅の火災保険への加入は、法律によってすべての入居者に一律で義務づけられているものではありません。
ただし、賃貸借契約の条件として、火災保険への加入や契約期間中の継続を求められることがあります。
その場合、更新を忘れたり途中で解約したりすると、契約上の問題になる可能性があります。
「最初に加入したから大丈夫」と思わず、次の点を確認しましょう。

■ 保険期間はいつまでか
■ 自動更新か、手続きが必要か
■ 更新案内はどこへ届くか
■ 借家人賠償責任が付いているか
■ 個人賠償責任が付いているか
■ 水漏れや凍結に伴う損害、破損などが補償対象か
保険料だけでなく補償内容を確認する
ラジオ放送では、賃貸住宅向け火災保険の一例として「2年間で1万5,000円程度」と紹介しました。
ただし、実際の保険料は、家財の保険金額、補償内容、特約、契約期間などによって異なります。
金額だけで選ぶと、必要な補償が付いていなかったり、賠償限度額が十分でなかったりする可能性があります。
また、管理会社が案内する保険以外へ加入できる場合でも、必要な補償条件を満たしているか確認が必要です。
管理会社や保険会社に相談し、自分が加入している保険の内容を把握しておきましょう。
火災保険は「自分以外の人を守る備え」でもある
火災保険というと、「自分の家具や家電を守るもの」という印象があるかもしれません。
しかし、賃貸住宅では、大家さんの建物や階下の入居者の家財など、他人の財産に大きな損害を与えてしまう可能性があります。
火事や水漏れは、「自分は気をつけているから大丈夫」とは言い切れません。
借家人賠償責任や個人賠償責任の補償は、事故によって大家さんや近隣の入居者に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に備えるものでもあります。
火災保険についてのQ&A

カラくん
火災保険は火事以外でも使える?

めぐちゃん
火事以外にも、水漏れ、落雷、風災、盗難、突発的な破損などが補償される商品があるよ。
ただし、補償範囲は契約によって異なるよ。
保険証券や契約内容を確認し、分からない場合は保険会社や代理店へ問い合わせてね。

カラくん
水道管を凍結させた場合も補償される?

めぐちゃん
水道管の修理費用や、漏水によって生じた室内・階下の損害が補償される場合があるよ。
一方で、水道管自体の修理費が対象外となる商品や、凍結に関する費用に特約が必要な商品もあるよ。
水落としの状況なども含め、事故の原因や契約内容によって補償の可否が判断されるため、保険会社や代理店へ確認してね。

カラくん
事故が起きたら、すぐに掃除してはいけないの?

めぐちゃん
水を止める、濡れた場所を拭く、家財を安全な場所へ移すなど、被害を広げないための応急処置は必要だよ。
ただし、作業前に可能な範囲で写真や動画を撮ろうね。
全面的な修理や壊れた物の処分は、管理会社や保険会社へ連絡してから進めると安心だよ。

カラくん
管理会社から案内された保険に入らなければいけないの?

めぐちゃん
保険会社を自由に選べる場合もあるけど、賃貸借契約で必要な補償内容や保険金額が決められていることがあるよ。
別の保険へ加入する場合は、借家人賠償責任や個人賠償責任など、管理会社が求める条件を満たしているか確認してね。

カラくん
火災保険の更新を忘れたらどうなるの?

めぐちゃん
保険期間が終了すると、その後に起きた事故は原則として補償されないよ。
さらに、火災保険の継続が賃貸借契約の条件になっている場合は、契約上の問題になる可能性もあるよ。
満期日と更新方法を確認し、住所や電話番号が変わった場合は保険会社や代理店へ届け出しよう。
火災保険で覚えておきたい3つのポイント
1.火事以外の事故も補償される可能性がある
水漏れ、凍結、突発的な破損なども対象になる場合があります。
事故が小さく見えても、まずは管理会社へ連絡し、必要に応じて保険会社や代理店にも相談しましょう。

めぐちゃん
2.事故が起きたら、安全確保・連絡・記録
水漏れの場合は可能な範囲で水を止め、火災の場合は身の安全を優先して避難し、119番へ通報します。
管理会社や保険会社などへも連絡し、修理や処分をする前に写真や動画で状況を残しましょう。

めぐちゃん
3.加入したままにせず、更新日と補償内容を確認する
借家人賠償責任や個人賠償責任が付いているか、いつ満期を迎えるかを確認しておくことが大切です。

めぐちゃん
火災保険の補償内容や支払条件は、保険商品・特約・事故の原因や状況によって異なります。
実際に事故が起きた場合や補償内容については、加入している保険会社・保険代理店、管理会社などへご確認ください。
【関連コラム】
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こんにちは。コンビニ賃貸のめぐみ企画です。
火災保険は、火事が起きたときだけの保険だと思いますか?