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コラム

賃貸トラブル

家賃の値上げは必ず応じる必要がある?契約更新・オーナー変更時の対応を解説

目次

  • 突然の値上げ通知にも、慌てず契約内容を確認しましょう
  • オーナーが変わっても、これまでの契約が白紙になるわけではありません
  • 家賃の値上げを求められたら、理由と金額の根拠を確認しましょう
  • 契約更新の時期でも、提示された家賃が自動的に確定するわけではありません
  • 値上げに納得できなくても、家賃の支払いを止めないことが大切です
  • 連絡を無視せず、自分の考えを記録が残る形で伝えましょう
  • 設備の追加を提案された場合も、費用と条件を確認しましょう
  • 話し合いが進まないときや、家賃の受け取りを拒まれたときは相談しましょう
  • 家賃の値上げについてよくあるQ&A
  • 家賃の値上げ通知で慌てないための3つのポイント
  • あわせて読みたい関連コラム
  • STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』

突然の値上げ通知にも、慌てず契約内容を確認しましょう

「オーナーが変わったので、来月から家賃を上げます」
「次の契約更新から、新しい家賃を払ってください」

このような通知が届いたら、「言われた金額を払わなければ、住み続けられないのだろうか」と不安になりますよね。

しかし、オーナーの変更や契約更新だけを理由に、通知された家賃をそのまま受け入れなければならないわけではありません。

一方で、一定の事情があれば、貸主が家賃の増額を求められる制度もあります。

大切なのは、値上げの理由と契約内容を確認し、家賃の支払いを続けながら話し合うことです。

今回は、家賃の値上げを通知されたときの確認事項や、納得できない場合の対応を、入居者の方に向けて分かりやすくご紹介します。

※本文は、主に住宅の「普通借家契約」を想定した解説です。契約内容や個別の事情によって扱いが異なる場合があります。定期借家契約や、家賃改定について特約がある場合などは、契約書を確認し、判断に迷うときは専門家へご相談ください。

めぐみ社長

こんにちは。コンビニ賃貸のめぐみ企画です。
オーナー変更や契約更新のタイミングで、家賃の値上げを通知されることがあります。
しかし、突然家賃の値上げを通知されても、まずは慌てず、契約書と値上げの理由を確認してほしいんです。

ようへいさん

「オーナーが決めたから」と言われると、払わなければいけない気がしますよね。

めぐみ社長

通知された金額が、そのまま確定するとは限りません。
ただ、納得できないからといって家賃の支払いを止めず、自分の考えを伝えて話し合うことが大切です。

ようへいさん

今回は、オーナー変更や契約更新のときに知っておきたい、家賃の値上げへの対応と確認ポイントをご紹介します。

オーナーが変わっても、これまでの契約が白紙になるわけではありません

建物の売買などによって大家さんが変わることを、「オーナーチェンジ」といいます。

通常、すでに部屋の引き渡しを受けて暮らしている入居者の賃貸借契約は、新しいオーナーにも引き継がれます。

そのため、「新しいオーナーになったので、今までの契約は無効です」「これからは新しい家賃を払ってください」と言われても、それだけで契約条件がすべて変わるわけではありません。

まずは、手元の賃貸借契約書や更新書類で、現在の家賃、契約期間、家賃の変更に関する記載を確認しましょう。

また、オーナー変更に伴い振込先も変わると通知された場合は、これまでの管理会社など、以前から把握している連絡先に確認してから手続きすると安心です。

「オーナーが変わったこと」と「家賃を変更できること」は、分けて確認しましょう。

家賃の値上げを求められたら、理由と金額の根拠を確認しましょう

家賃は、契約時には貸主と入居者の合意によって決められます。

一方、契約後に経済事情や周辺の家賃相場などが変わり、現在の家賃が不相当になった場合には、借地借家法に基づいて貸主から増額を求められることがあります。

そのため、入居者が値上げに同意していないからといって、将来にわたって必ず従来の家賃のままとなるわけではありません。

ただし、一定の期間は家賃を増額しないという特約がある場合には、その定めに従います。

借地借家法では、主に次のような事情が挙げられています。

◆ 土地や建物にかかる税金などの負担の変化
◆ 土地・建物の価格や、経済事情の変化
◆ 近隣の同じような物件の家賃との比較

「物価が上がったから」「修理費が高くなったから」と説明された場合も、それだけで希望額の値上げが認められるとは限りません。

現在の家賃や周辺相場などを踏まえて、値上げの理由や提示された金額について確認することが大切です。

通知を受け取ったら、次の点を尋ねてみましょう。

◆ なぜ値上げが必要なのか
◆ 現在の家賃から、いくら上がるのか
◆ その金額をどのように算出したのか
◆ いつから変更したいと考えているのか
◆ 根拠となる資料はあるか

「値上げを求められた」ということだけで判断せず、具体的な説明を受けることが大切です。

契約更新の時期でも、提示された家賃が自動的に確定するわけではありません

「更新のタイミングなら、大家さんが自由に家賃を決められる」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、普通借家契約では、更新時期を迎えたというだけで、提示された値上げ額を必ず受け入れなければならないわけではありません。

更新書類に新しい家賃が記載されていたら、これまでの金額との違いや、変更理由を確認しましょう。

分からないまま署名すると、値上げに合意したものとして扱われる可能性があります。

なお、家賃の増額が認められるかという問題と、貸主が更新を拒否したり退去を求めたりできるかという問題は、別のものです。

普通借家契約で貸主が更新を拒否したり、解約を申し入れたりするには、法律上の「正当事由」などの要件を満たす必要があります。

値上げに同意しないというだけで、当然に退去しなければならないわけではありません。

また、普通借家契約はすべて「2年ごとの自動更新」と決まっているわけではありません。

契約期間や更新手続きは、自分の契約書で確認してください。

値上げに納得できなくても、家賃の支払いを止めないことが大切です

値上げに納得できないときも、「それなら家賃を一切払わない」という対応は避けましょう。

増額について話し合いがまとまらない間は、法律上、増額を正当とする裁判が確定するまで、入居者は「相当と認める額」の家賃を支払うこととされています。

そのため、値上げに納得できないからといって家賃の支払い自体を止めるのではなく、従来の家賃を支払いながら協議を続ける対応が考えられます。

例えば、家賃6万円から8万円への値上げを求められ、説明や資料を確認しても増額に納得できず、従来の6万円が相当だと考える場合は、その金額の支払いを続けながら、理由を伝えて協議する対応が考えられます。

ただし、従来の家賃を払っていれば、将来も差額を一切払わなくてよいと決まるわけではありません。

後に裁判で増額が認められ、それまでに支払った家賃に不足が生じた場合は、その不足額に加え、法律の定めにより年1割(10%)の割合による支払期後の利息を支払う必要があります。

支払額について判断に迷う場合や、相手から滞納だと指摘された場合は、早めに弁護士などへ相談しましょう。

連絡を無視せず、自分の考えを記録が残る形で伝えましょう

値上げに同意できないときは、電話や通知を放置するのではなく、その理由を伝えましょう。

例えば、次のような伝え方が考えられます。

『家賃の増額通知を確認しました。現時点では、変更の理由や金額について十分に理解できていないため、増額には同意していません。まずは、増額の根拠となる資料や説明をお願いします。当面は、従来の家賃を支払いながら協議したいと考えています。』

大切なのは、相手を責めることではなく、「どこが分からないのか」「現時点でどう考えているのか」を具体的に伝えることです。

そして、メールや書面など、やり取りが残る方法を使いましょう。

電話で話した場合も、日時、相手の名前、説明された内容をメモしておくと役立ちます。

契約書、増額通知、振込記録、やり取りの履歴は、まとめて保管しておきましょう。

設備の追加を提案された場合も、費用と条件を確認しましょう

貸主から、「モニター付きインターホンを設置するので、家賃を月1,000円上げたい」といった提案を受けることもあります。

設備が充実すれば、暮らしやすさや安心感につながる場合があります。

しかし、設備を付けるという説明だけで、提示された値上げ額への同意を急ぐ必要はありません。

次の点を確認して、提案内容を検討しましょう。

◆ どのような設備が追加されるのか
◆ 設置費用を別途支払う必要があるのか
◆ 家賃はいくら増え、いつから適用されるのか
◆ 故障時の修理や管理は誰が担当し、修理費用は誰が負担するのか

例えば、月1,000円の増額でも、1年間では1万2,000円、5年間では6万円になります。

設備の便利さと、毎月続く負担の両方を考えることが大切です。

合意した場合は、変更後の家賃と開始時期などを書面で確認しておきましょう。

話し合いが進まないときや、家賃の受け取りを拒まれたときは相談しましょう

説明を求めても回答がない、強く退去を迫られるなど、当事者同士では話し合いが難しい場合もあります。

そのようなときは、契約書や通知を用意して、消費生活センターや弁護士などへ相談しましょう。

消費者ホットライン「188」では、地域の消費生活センターなどの相談窓口につながります。

また、法的な対応について相談したい場合は、弁護士や法テラスなどへ相談する方法もあります。

家賃の増額について話し合いがまとまらない場合は、裁判所の民事調停で、調停委員などの第三者を交えて解決を目指す方法があります。

借地借家法に基づく家賃の増減額請求について訴訟を起こす場合は、原則として、先に調停を申し立てる必要があります。

調停でも解決しない場合には、訴訟で家賃の額が判断されることがあります。

また、貸主から「値上げ前の家賃は受け取らない」と言われた場合も、そのまま未払いにしてはいけません。

一定の条件を満たす場合には、受け取ってもらえない家賃を供託所へ「供託」する弁済供託という制度があります。

家賃を受け取ってもらえないからといって、そのまま支払いをしない状態にせず、供託が利用できるか法務局や弁護士へ早めに相談してください。

家賃の値上げについてよくあるQ&A

カラくん

オーナーが変わったら、新しい契約書に必ず署名しなければならないの?

めぐちゃん

オーナーが変わったというだけで、変更された条件を必ず受け入れる必要はないよ。
貸主の名前を変更する確認書類なのか、家賃などの条件を変更する書類なのかを確認しよう。
内容に疑問がある場合は、署名する前に説明を求めてね。

カラくん

「月2,000円だけの値上げ」なら、必ず応じなければならないの?

めぐちゃん

金額が小さいという理由だけで、必ず応じなければならないわけではないよ。
値上げの理由や根拠、契約内容を確認して話し合いをしよう。
月2,000円でも年間では2万4,000円になるため、家計への影響も考えて検討することが大切だよ。

カラくん

値上げに同意しなければ、家賃は絶対に上がらないの?

めぐちゃん

絶対に上がらないとはいえないよ。
合意に至らなくても、法律上の要件を満たす増額が裁判で認められる場合があるよ。
「同意しなければ解決する」と考えず、理由と資料を確認しながら対応しよう。

カラくん

定期借家契約でも、普通借家契約と同じ対応でよいの?

めぐちゃん

契約内容によって扱いが異なるよ。
定期借家契約は、更新がなく、原則として契約期間の満了によって終了する契約だよ。
契約期間が1年以上の場合、貸主は原則として、期間満了の1年前から6か月前までの間に、契約が終了することを通知する必要があるよ。
この期間に通知がなかった場合は、後から通知しても、その通知から6か月が経過するまでは、貸主は契約の終了を入居者に主張できないよ。
また、定期借家契約で「借賃の改定に係る特約」が定められている場合には、借地借家法第32条の賃料増減額請求の規定は適用されないよ。
ただし、どのような定めが「借賃の改定に係る特約」に当たるかは契約内容によるため、契約書を確認することが大切だよ。
まずは契約書の「契約期間」と「家賃の改定に関する特約」を確認し、普通借家契約と同じだと判断せずに相談してね。

カラくん

近所の募集家賃が安ければ、自分の家賃を勝手に下げてもよいの?

めぐちゃん

自己判断で支払額を減らすことは避けようね。
募集家賃と現在の契約家賃は、設備、階数、広さ、契約時期などによって異なるよ。
家賃の減額を相談したい場合は、比較できる資料を用意して貸主へ相談し、合意や法的な手続きを踏まえて対応してね。

家賃の値上げ通知で慌てないための3つのポイント

1.契約書と、値上げの理由・金額を確認する

オーナー変更や更新という言葉だけで判断せず、現在の契約内容と、増額の具体的な根拠を確認しましょう。

めぐちゃん

2.家賃の支払いを続け、自分の考えを伝える

納得できなくても支払いを止めず、同意していないことや確認したい内容を、記録が残る方法で伝えましょう。

めぐちゃん

3.困ったときは早めに相談する

話し合いが進まない、家賃を受け取ってもらえない、退去を迫られている場合は、一人で判断せず相談窓口や弁護士などに相談しましょう。

めぐちゃん

あわせて読みたい関連コラム

STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』

この内容はSTVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』でもご紹介しました。
放送はこちらからお聴きいただけます。
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STVラジオ『ようへいと学ぼう!エンジョイ・ライフ』

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